「配信で背景を消したいけど、グリーンバックを買う場所も置く場所もない」——そんな場合でも、AIによる背景除去機能を使えば、物理的なグリーンバックなしで背景を透過・ぼかし・差し替えできます。配信用グリーンバックの選び方で紹介した物理グリーンバックとは違う仕組みなので、ここではソフトウェアだけで完結する3つの方法を見ていきます。
この記事で分かること
- グリーンバックとAI背景除去の仕組みの違い
- 代表的な3つの背景除去方法とそれぞれの条件
- 画質・精度を上げるためのコツ
仕組みの違い:クロマキーとAI背景除去
物理グリーンバックを使うクロマキー合成は、「緑色の部分を透明にする」という単純な処理のため負荷が軽く、輪郭も綺麗に抜けやすい一方、グリーンバックの購入・設置スペースが必要です。AI背景除去は、人物の輪郭をリアルタイムに認識して背景だけを分離する仕組みで、部屋の片付けやグリーンバックの設置が不要な代わりに、処理の負荷や認識精度に注意が必要です。
代表的な3つの方法
| NVIDIA Broadcast | obs-backgroundremoval | XSplit VCam | |
|---|---|---|---|
| 価格 | 無料 | 無料(オープンソース) | 有料(年額サブスク) |
| 必要なGPU | NVIDIA RTXシリーズ必須(RTX 2060以上目安) | GPU・CPUどちらでも動作可 | RTX不要(CPU処理) |
| 導入方法 | 単体アプリ+OBSの仮想カメラ連携 | OBSのフィルタとして直接追加 | 単体アプリ+仮想カメラ連携 |
| PCへの負荷 | 専用AI回路を使うため軽い | 環境により変動 | CPU処理のため比較的重い |
NVIDIA Broadcast(RTX搭載PC向け)
NVIDIA製GPU「GeForce RTX」シリーズ(RTX 2060以上が目安)を搭載したPCであれば、無料で使える公式ツールです。GPU内の専用AI処理回路を使うため、他の方法に比べて動作が軽く、背景のぼかし・置き換え・除去を高精度でこなせます。GTXシリーズ(RTX非搭載)のGPUには対応していない点に注意してください。
obs-backgroundremoval(GPUを問わず使いたい場合)
OBSのフィルタとして直接組み込める無料のオープンソースプラグインです。GitHubで公開されており、OBSのプラグインフォルダに配置するだけで、ソース上に「背景除去」フィルタとして追加できます。RTX非搭載のPCでも動作しますが、PCスペックによっては処理負荷が高くなることがあります。
XSplit VCam(手軽さを優先したい場合)
有料のサブスクリプション製品ですが、RTX非搭載のPCでも比較的手軽に導入できるのが特徴です。仮想カメラとして動作するため、OBSだけでなくZoomやDiscordなど他のアプリでも同じ背景除去を使い回せます。CPU処理のため、PCのスペックによっては他の方法より負荷が大きくなる点は留意してください。
精度を上げるためのコツ
- 部屋を明るくする:照明が暗いと、AIが人物と背景の境界を認識しにくくなります。配信用照明の選び方も参考に、顔周りを明るくしておくと輪郭の抜けが安定します
- 服装の色に注意する:背景と似た色・質感の服を着ていると、その部分だけ誤って透過されることがあります
- カメラを固定する:撮影中にカメラが揺れると、輪郭認識がブレやすくなります
よくある質問
Q. AI背景除去とグリーンバック、画質はどちらが綺麗ですか?
A. 一般的には、物理グリーンバックを使ったクロマキー合成の方が輪郭はシャープに抜けやすい傾向があります。AI背景除去は年々精度が向上していますが、髪の毛の細かい部分などで多少の誤認識が出ることがあります。画質を最優先するなら物理グリーンバック、手軽さを優先するならAI背景除去、という使い分けがおすすめです。
Q. ノートPCの内蔵GPUでも使えますか?
A. NVIDIA BroadcastはRTX非搭載のGPUには対応していません。内蔵GPUのノートPCの場合は、obs-backgroundremovalまたはXSplit VCamを試すことになりますが、処理負荷によってはカクつきが出ることがあるため、事前に動作確認をしておくと安心です。
まとめ
- AI背景除去は、物理グリーンバックなしで背景を透過・ぼかし・差し替えできる仕組み
- RTX搭載PCならNVIDIA Broadcast、GPUを問わないならobs-backgroundremovalかXSplit VCamが選択肢
- 部屋を明るくする、背景と似た色の服を避けるといった工夫で認識精度が上がる
- 画質を最優先したい場合は配信用グリーンバックの選び方も参照


コメント